Queens Teens Institute:若者たちの可能性をひらく
Published: 29 May 2026
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創造性やカルチャーに触れられる場は、自信やアイデンティティ、そして未来の可能性を育てる大切なものです。けれど、そうした機会に十分にアクセスできないまま育つ若者も少なくありません。Queens Teens Institute for Art and Social Justice(QTI)は、そんな現実を受けて設立されました。Marshallはその取り組みを支援し、ともに歩めることを誇りに思っています。QTIは、若者が自立したアーティストとして、また社会に変化をもたらすリーダーとして成長していけるよう支えるコミュニティです。多くの若者にとって、一般的なユースリーダーシッププログラムやアートプログラムの枠を超え、ひとりひとりにとって大きな意味を持つ場にもなっています。
2020年初め、クイーンズ美術館の学習・教育部門を率いるキマーダ・レ・ジャンドル(Kimaada Le Gendre)は、当時のティーン向けプログラムには、さらに深い取り組みへ育てていける可能性があると感じていました。ところがその直後、世界は大きく変わります。新型コロナウイルスの感染拡大によって、クイーンズの若者たちは孤立し、不安や大きなプレッシャーを抱えることになりました。さらに、ジョージ・フロイドの殺害をきっかけに、深い悲しみと抗議の声が社会全体に広がっていきます。そんな春の終わり、最後のオンラインセッションの一つで、若者たちはシンプルな問いを投げかけました。「私たちのための居場所を作ってくれませんか?今起きていることについて話したり、自分たちの気持ちを表現できる場所がほしいんです」。その言葉が、大きな転機となりました。2020年8月には、こうした声に応えるかたちで、アートと社会正義をテーマにした夏のオンラインプログラムを試験的に実施します。そこでは、これまでこうした対話から取り残されがちだったティーンたちの声や経験が中心に置かれました。そこからQTIは、本音で話し合い、物事を多角的に考えながら、ひとりひとりが成長していける支えのある場として発展していきました。
QTIでは毎年、新たなテーマのもと、アート制作のワークショップやリーダーシップセミナー、コミュニティサービスのプロジェクト、そしてキャリアや進路につながる実践的なトレーニングが用意されています。参加者たちはアーティストとして成長していくだけでなく、リーダーとしての力も育みながら、プログラムの枠を超えて、メンターや機関、さまざまなネットワークとのつながりを築いていきます。同世代に向けた大規模なイベントを、自ら企画し運営するのもその一つです。そして各プログラムの締めくくりには、クイーンズ美術館で本格的な展覧会を開催し、自分たちの作品を展示します。多くの参加者にとって、それは人前で作品を初めて発表する機会でもあります。そうした大切な瞬間も、Marshallの支援によって実現しています。
すべての若者が、何かを生み出し、自分を表現し、自分自身の声を見つける機会があるべきです。しかし実際には、費用や距離、アクセスのしづらさが壁となり、その機会にたどり着けない若者も少なくありません。MarshallとQTIのパートナーシップは、まさにこうした状況を変えるための取り組みです。Marshallの支援は、参加者一人一人に支給される1,000ドルの支援金に充てられており、経済的な事情によって参加が左右されないよう支えています。さらに、ボストンやフィラデルフィアへのリーダーシップ研修旅行にかかる交通費もカバーしており、多くの参加者にとってこれまで訪れたことのない文化機関に触れるきっかけにもなっています。また、プログラム終了後も創作活動を続けられるよう、参加者には高品質なヘッドホンやスピーカーも提供しています。私たちはこうした支援を通して、新たな可能性をひらき、若者たちが自分に何ができるのか、そして自分がどんな存在になれるのかに気づくきっかけとなる大切な瞬間を、ともに支えています。
このプログラムの本当の価値は、自分の声やアイデア、自分の居場所にまだ確信が持てないまま参加した若者たちが、やがて自信と明確な意思、そして目的意識を持って歩み出していく、その変化にあります。彼らはリーダーシップを発揮し、表現においても恐れず挑戦しながら、確信を持って自分の考えを語り始めるようになります。ある参加者は「ここでは、これまでに感じたことがないほど、自分という存在を見てもらえた気がします」と話します。また別の参加者はこう語っています。「QTIのおかげで、自分自身のことをより深く知ることができ、人としても、将来のキャリアという面でも成長することができました」。
QTIの取り組みがユニークなのは、若者自身が主体となり、地域に根ざしたクリエイティブ教育のモデルを構築している点にあります。そして、そのモデルを通して、世界各地の文化機関にも、次世代に継続的で実のある支援を行うことの大切さを伝えています。QTIが重視しているのは、より多くの若者に機会をひらくこと、アートと社会正義を結びつけて学べるようにすること、そして高等教育やクリエイティブ業界へとつながる道筋を示すことです。そうした取り組みによって、QTIでの経験は、参加者にとってその後にもつながる大切なものとなっています。
アートやカルチャーに触れられる機会が、今もなお大きく偏っている社会の中で、若者たちが成長していくために必要なツールやコミュニティ、そして自分を信じる力を手にできるよう支えることは、決して小さなことではありません。それは欠かすことのできない、大切な取り組みです。そうした思いこそが、このパートナーシップの中心にあり、私たちはこれからもその信念を大切にしながら支援を続けていきます。
写真:Neil Constantine/Queens Museum提供











