Studio Vintageと1959で探る、ジミ・ヘンドリックスのサウンド

2026年9月25日

ヘンドリックス・エディションのアンプの正面図

ジャンルを決定づけるギタートーンもあれば、時代そのものを象徴するギタートーンもあります。ジミ・ヘンドリックスのサウンドは、そのどちらも兼ね備えていました。生々しく、表現力豊かで、爆発的で、どこまでもダイナミック。そんな彼の演奏は、アンプが生み出せるサウンドの常識を大きく塗り替えました。

そのサウンドの中心にあったのが、伝説的なMarshall 1959です。ラウドで妥協がなく、強烈な存在感を持つこのアンプは、音楽史に残る数々象徴的なギターサウンドの土台となりました。 そして現在、そのスピリットを現代のギタリストたちが扱いやすい形で受け継いでいるのがStudio Vintageです。オリジナルの1959 Super Leadから直接インスピレーションを得たこのアンプは、1959のように大きな音量や広いスペースを必要とせずに、クラシックなMarshallトーンならではの個性を引き出します。

伝説を受け継ぐDNA

オリジナルのMarshall 1959が、ジミ・ヘンドリックスのサウンドと強く結びついて語られるのには、理由があります。その独特な温かみ、鋭さ、爆発的なパワーを組み合わせた唯一無二のサウンドは、彼の演奏の細かなニュアンスにも反応しました。クリーンなトーンでは澄んだきらめきを帯び、アンプをさらにプッシュすると、豊かなオーバードライブへと自然と移り変わっていきます。 現代のハイゲインのセッティングとは異なり、ヘンドリックスのトーンはダイナミクスを軸にしていました。ギターのボリュームを細かく操り、弦を強く弾き込む。そのひとつひとつにアンプがリアルタイムで反応することが、あのサウンドの大きな魅力でした。 Studio Vintageにも、同じ60年代のスピリットが宿っています。オリジナルの1959のDNAを受け継ぎ、クラシックでダイナミックなMarshallらしいレスポンスを実現。ギターのボリュームを下げれば、きらめきのあるクリーントーンに。ボリュームを上げれば、アンプは自然に豊かなクランチへと移り、なめらかなサステインと豊富な倍音を生み出します。 ジミ・ヘンドリックスのサウンドに近づくうえで大切なのは、過去をそのまま再現することではありません。Marshallの前に立ち、ギターに語らせる。そんな感覚をつかむことです。

ジミ・ヘンドリックスにインスパイアされたトーンを作る

ジミ・ヘンドリックスのサウンドは常に進化していましたが、そのキャリアを通じて一貫していた核となる要素がいくつかありました。 『Little Wing』のようなクリーンなリズムトーンを目指すなら、ゲインは控えめにして、アンプ本来の響きとレスポンスを生かします。ネックピックアップを使い、ギターのボリュームを少し絞ることで、温かみがありながらも鋭さを残したクリーントーンが得られます。 ライブパフォーマンスや『Purple Haze』『Voodoo Child』のような、よりアグレッシブなリードトーンを目指すなら、アンプをさらにプッシュし、Studio Vintageの自然なブレイクアップを前面に出します。 ヘンドリックスの時代のクラシックなテクニックとして、短いパッチケーブルを使ってアンプのブライトチャンネルとノーマルチャンネルをつなぐ方法があります。これは他のヴィンテージMarshallヘッドでも使われる方法です。これにより、温かみと明るさにボディが加わり、より厚みのある豊かなトーンが作り出せます。

まずはこの設定から

ここで紹介する設定は、絶対的なルールではなく、 まず試してみるための目安です。ヘンドリックスのトーンは、時代、会場、ギター、スピーカー、ペダル、さらにはアンプをどれだけ大きな音で鳴らしていたかによって常に変化していました。まずはこの設定を土台に、自分のセットアップや演奏スタイルに合わせて耳で調整していってください。

『Little Wing』スタイルのクリーントーン

Presence: 4

Bass: 3

Middle: 6

Treble: 6

Loudness I: 4

Loudness II: 3 ギターのボリュームは少し絞り、軽めのピッキングで音の明瞭さを保ちます。

『Purple Haze』スタイルのクランチトーン

Presence: 6

Bass: 4

Middle: 7

Treble: 7

Loudness I: 7

Loudness II: 5 アンプをさらにプッシュし、パワーアンプ部が自然にコンプレッションする状態にします。前段にファズペダルを加えると、多くのヘンドリックスの録音で聴ける、飽和感とエッジのあるトーンに近づけます。

Woodstockライブにインスパイアされたリードトーン

Presence: 7

Bass: 3

Middle: 8

Treble: 6

Loudness I: 8

Loudness II: 5 このトーンで大切なのはフィーリングです。アンプがダイナミックに反応する音量を保ち、ギター側のコントロールをこまめに調整します。

ゲインだけでは語れない魅力

ヘンドリックスのトーンについてよくある誤解のひとつが、ディストーションだけで作られていたという見方です。実際には、その個性の多くは、音の余白、ダイナミクス、そしてタッチから生まれていました。 Studio Vintageは、こうしたアプローチに理想的なアンプです。演奏の仕方に応じて反応し、ギター側で調整するたびにアンプのサウンドも変化します。やさしくピッキングすれば、クリアで表情豊かなトーンに。より強く弾き込めば、自然な唸りとサステインで応えてくれます。 そのレスポンスの良さこそが、オリジナルの1959が時代を決定づけるアンプとなった理由であり、今も変わらず多くのギタリストたちにインスピレーションを与え続けています。

ヴィンテージトーンを、現代へ

Studio Vintageは、クラシックなMarshallらしい個性を、より扱いやすい形で求めるギタリストたちのために設計されました。オリジナルの1959が持つフィーリングとレスポンスを受け継ぎながら、現代のスタジオやリハーサルスペース、小規模なステージにも自然にフィットします。ジミ・ヘンドリックスにインスパイアされたトーンを追い求めるギタリストにとって、この扱いやすさは大きな意味を持ちます。 あの時代を象徴するサウンドは、アンプの設定だけで生まれたものではありません。ギターとアンプの反応、演奏の動き、ボリュームスウェル、フィードバック、そしてダイナミクス。そのすべてが重なり合って生まれたものなのです。そこに、クリーンと歪みの間で音が生き生きとする瞬間が重なります。そこにこそ、あのサウンドの魅力があります。