理想のギタートーンを録音する方法
自宅でも、スタジオでも、個人の練習スペースでも、変わらないのはトーンがすべてだということ。どんなギタリストに聞いても、最も大切にしているのは「理想のトーン」だと答えるでしょう。もちろん「良いトーン」の感じ方は人それぞれですが、レコーディング環境では優れたサウンドを生み出すための具体的なテクニックが存在します。ここでは、マイキングからミックスのコツまで、ギターのレコーディングに役立つ実践的なテクニックをご紹介します。あなたの理想のトーン作りに、きっと役立つはずです。
音作りは原音がすべて
どれだけエフェクトやプラグインで工夫をしても、レコーディングのクオリティが低ければ、後から修正することはできません。元の音源に問題がある場合は、その時点で良い結果は望めないのです。録音前にしっかり準備をしておくことが、のちの手間やトラブルを防ぐ最善策です。レコーディングを始める前に、まずは以下の基本的なことをチェックしましょう。
ギターは正しくチューニングされていて、フレットノイズ(ビビり音)が出ていませんか?
イントネーション(オクターブチューニング)は合っていますか?開放弦と12フレットで音程が一致しているかチューナーで確認し、ブリッジサドルを微調整しましょう。
弦に当たってノイズの原因になるようなアクセサリーを身につけていませんか?
コンピューターのファン音やスマホの通知音など、録音を台無しにするような周囲のノイズは排除していますか?
ギターの信号レベルは適正ですか?クリッピングを避け、ピークは-10db以下に抑えておきましょう(ミックス時のヘッドルーム確保のため)。
マイキングの基本
アンプのマイキングには人それぞれのやり方がありますが、いくつかの定番テクニックを押さえておくことで、録音の段階から良いサウンドを得やすくなります。
スピーカーコーンの位置を探すには、グリルクロスを軽く叩くか、懐中電灯で照らして確認しましょう。スピーカーコーンの位置がわかったら、カーディオイド型のダイナミックマイクをスピーカーコーンから5cm以内に設置します。このようなマイクは、200Hz以下を自然に抑える特性や背面の音を拾いにくい構造により、ギター録音に最適です。
さまざまなサウンドを試す方法。
マイクをオフアクシスにしたり、スピーカーの中央から端寄りに置いたりしてみましょう。中央付近では明るくシャープな音になり、端では温かく落ち着いた音になります。
より厚みのある豊かなサウンドを狙うなら、ダイナミックマイクを2本使うのも効果的です。ただし、相位のズレを避けるために、できるだけ近くに配置しましょう。
さらにアンプから少し離れた位置にコンデンサーマイクを追加すると、より広がりのあるアンビエントサウンドが録れます。特に、Studio JTM ComboやStudio Vintage Headのようなアンプでは、この手法がよく映えます。
マイキング位置
明るくクリアな音
柔らかく丸みのある音
低音の響きが少ない
低音の響きが豊か
自宅で録音する場合、マイクからの信号はオーディオインターフェイスに送られます。インターフェイスの価格によっては、より高品質なプリアンプを搭載しており、それがレコーディングの音質に大きく影響します。録音時は必ず音声信号をモニターし、クリッピングや-10dBを超える入力を避け、クリーンなレコーディングを維持しましょう。
音作りを工夫する
ギターを録音する場合。
さまざまなピックアップポジションを試してみましょう。
コードの回転形(インバージョン)や右手のピッキング強弱でも音のニュアンスは変わります。
JVM410 ComboやDSL100 Headのようにトーン調整の幅が広いアンプを使えば、レコーディング段階で音作りができ、のちの編集作業に頼りすぎずに理想のサウンドを実現できます。
音を重ねて厚みを出す
1本のギターラインが映える場合もあります。特にロックベースのトラックでは、ダブルトラッキングが効果的です。サウンドに厚みと迫力を加えられます。
まずは1テイクを録音し、同じフレーズをもう一度演奏して録音します。
2つのトラックを左右にパンすれば、広がりのあるステレオ感が得られます。
さらに厚みを出したい場合は、マイキング位置やパンを変えた4トラックで録音することも検討してみましょう。
ただし、レイヤーを重ねすぎるとミックスが濁ってごちゃつく原因になるため、演奏はタイトにまとめましょう。
必要に応じてタイミングを調整し、すべてのトラックのタイミングをぴったり揃えましょう。
JVM205やJVM210 Headのようなマルチチャンネルアンプを使えば、テイクごとに機材を切り替えることなく多彩なトーンを作り分けられます。
音を整えてクリアに
きちんとチューニングされ、適切にマイキングされた高品質なギターパートが録れたら、次はミックスの中での位置づけや音質を整えましょう。
ノイズゲートを使って、演奏間に残るノイズフロアをカットします。特にハードロック系では、レスポンスの早いタイトなノイズゲートが最適です。
EQも見直しましょう。低域や高域を適度にカットして、ギターがミックス内で埋もれず馴染むように調整しましょう。
単体で素晴らしく聞こえるサウンドでも、他の楽器と合わせると必ずしも相性が良いとは限りません。
ギターパートをクリアに整えるには、狭いQ幅のEQバンドを大きくブーストし、周波数帯域をスイープして耳障りな音を特定し、その周波数をカットします。
ショートリバーブやディレイをかけると、リードパートに広がりが生まれ、ミックスの中で存在感を高められます。
Studio JubileeやSilver Jubilee 2555X Headのようなヴィンテージスタイルのアンプなら、最小限の加工でミックスに自然に溶け込むクラシックなトーンが得られます。
レコーディングの音作りには、数えきれないほど多くの要素が関わります。しかし、ここまでのステップを押さえておけば、聴く人の心をつかみ、強い印象を残す迫力あるギタートーンを手に入れられるはずです。
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